2017. 01. 17  


2008年のリーマン・ショックで、アメリカと欧州が弱体化したことは間違いない。一方、豊富な資源と安価な労働力を有するロシアと中国は、極めて限定的な影響に止まり、西側諸国の地盤沈下とは対照的に経済発展を遂げた。

こうした中で、ロシアと中国は、西側諸国が掲げる「自由・平等・人権」という普遍的価値観に異を唱えはじめる。

2014年にソチ五輪が閉幕すると、ロシアはクリミア併合に踏み切り、2015年には(テロ組織と戦うシリア政府の支援という名目で)ISなどの過激派へ空爆を開始した。ところが、その攻撃対象に、欧米諸国が支援する反アサド勢力も含まれていたため、米・英を中心とした7カ国がロシアを激しく非難し、経済制裁へと踏み切った。

中国もこれに続き、実効支配を目論む南沙諸島の領有権を主張。ハーグの仲裁裁判所が、中国による南沙の領有権主張には法的根拠がないとする裁定を、「ただの紙くず」として突っぱねる。

ロシアと中国という東側陣営は拡張主義を復活し、自国を中心とした世界支配を志向しはじめた。つまり、かつての冷戦構造に戻っているわけで、グローバリズムはすでに成立し得ない状況になっているのだ。

ここに、トランプが登場するのは、やはり意味がある。トランプは、中国にとって聖域である「1つの中国」の原則にとらわれないという衝撃的な発言をした。

そもそも、トランプには「国際秩序」という壮大な戦略は、たぶん無かった。しかし、トランプが師と仰ぐ「キッシンジャー」は、1974年「甲寅」からはじまった「冷戦終結→グローバリズム」という、新たな国際秩序の絵図を描いた人物である。

まだ生きているんだな~、キッシンジャー(笑)日本にとっては疫病神。1923年生まれ、93歳。亥の五黄土星。良くも悪くも、五黄の特徴を完備したような男。五黄を知ろうとするなら、キッシンジャーを研究すればよい。

71年のキッシンジャーによる隠密・忍者外交と、72年のニクソン訪中は、ドル・ショックに並ぶ、もう一つの「ニクソン・ショック」であった。

当時の米ソは冷戦の真っ只中。そこでニクソンは中国と手を握ることによって、ソ連を孤立化させることに成功。敵の敵は味方を実践した。その、陰の立役者がキッシンジャーである。見捨てられたのは台湾と日本。

1974年からはじまったグローバル経済の時代、最も利益を得たのは中国である。キッシンジャーの絵図では、中国人も自由の蜜の味を知れば、ソ連のように内部から瓦解してゆくだろうと画策したのだが、事実は中国共産党独裁の構造を強めただけであった。

乱暴な言い方をすれば、中国人は国家などどうでもいいのであって、自分の一族だけが大事な人々である。共産党にはタテをつかないが、その一方で私腹は着々と肥やすのが、中国版・賢い生き方なのよ~という「真のグローバリスト」としての中華遺伝子を、キッシンジャーは読み違えた。

しかも、当のキッシンジャーが、中国進出を目論む米国企業からコンサル料という実質賄賂を受け取り、米企業を中国高官へ繋いで、醜悪な金儲けに走る。ミイラ取りがミイラになり、中国の走狗に成り果てたのだ。キッシンジャーをまんまと取り込んだ中国に、もはや怖いものはないように思えた。

しかし、奥の院の描く国際秩序とは、あくまでも「勢力の均衡」である。中国は、南沙諸島の領有権主張と、人民元通貨圏の拡大(ドルの弱体化計画)、「有事の金」を世界中から買い漁ったことで、奥の院の虎の尾を確実に踏んだ。貧しい国が豊かになると戦争を起こす。習近平は人民解放軍(人民抑圧軍?)と、国民の不平不満を逸らす方法として、対外拡張戦略を取りはじめたのだ。

トランプが、中国にとって聖域である「1つの中国」の原則にとらわれないという衝撃的な発言をし、国務長官に親ロシア派のティラーソンを起用したことは、ニクソン・ショックの逆バージョンへの布石である。

かつて、キッシンジャーが担った役を、今度はティラーソンが務める。この男は辰の三碧ゆえ、キッシンジャーのように鼻薬で転がるようなタマではないことは確か。元エクソン・モービルのCEO。エクソンは奥の院のフラッグ・カンパニーであり、ティラーソンは叩き上げでトップまで登りつめた豪腕。

いよいよ米国がロシアと手を握り、中国を弱体化させてゆく。敵の敵は味方という、いつか見させられた光景を、われわれはもう一度見させられる。後世の歴史書に「トランプ・ショック」なる言葉を残すことになるのかもしれない。ダイナミックな光景だ。

安倍首相がプーチンと何かを話し合い、インドのモディとはすでに手を握り、今回、フィリピン・ベトナム・インドネシア・オーストラリアを歴訪した理由は、今後「緊張する東アジア」への足場固めである。

台湾の蔡英文総統は、カリフォルニアのフォートワースで共和党首脳団と接触。フォートワースは米海軍の要所。緊張する台湾海峡への布石を打ちに行ったのだ。いよいよ第七艦隊の出番になるのか。

この重大な局面で、韓国は政治も経済も歯車が狂ってしまったようだ。昨日、サムスンの事実上のトップが逮捕された。そして、北朝鮮のボクちゃんは急に「良い子」を演じはじめる。

今回のレジーム・チェンジを、米国は、かつてのソ連解体のように、バランスを取りながら、軍事衝突なしに、中国を内側から解体してゆかねばならない。これがトランプに課せられた一つの使命である。

トランプは表向き、中国からの輸入品への課税強化や、為替操作国指定の二点で、吠えまくっているが、たぶん金融の瓦解を狙ってくるはずだ。かつて日本の銀行が、アメリカから時価会計導入と自己資本比率規制を求められ、一気にバブルが崩壊したように。

中国最大の問題は会計の不透明性である。公式発表のGDPや外貨準備高すら信用ならざる国だ。仮に中国国営銀行に徹底的な会計の透明化を求めていった場合、中国のバブルは一気に弾けるだろう。

受けて立つ中国は大変だ。これは習近平体制の根幹を揺るがすことになる。ここから中国はジワジワと冬の時代を迎えるだろう。2017年は、その一歩がはじまる年になるのだ。一白水星とは「新たなスタート」の意味を持つ。そして「丁酉」の丁は陰火。たよりなく揺れるロウソクの炎。ゆらめきの不安定。

いよいよ今週末(日本時間・21日午前2時)、トランプはワシントンD.C.で大統領就任式に臨む。言い換えれば、プロレスのリングに上ったトランプと習近平に、試合開始のゴングが鳴る。なにやら往年の「ブラッシー vs 力道山」が蘇える。

おお、ドル円、113円26銭!


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東洋占術歴40年になります。占い師とは「人を幸せに導く職業」だと思ってきました。同時に、多くの方のさまざまな悩み苦しみに接し、人ひとりが人生を生きく抜くことの困難さに思いを馳せずにはいられません。思えば私たちの人生はこころの旅であり、こころには喜びが必要です。こころがつらいとき、どんなに強い人でも自分を支えていくのは難しいことです。その苦しみからどうやって抜け出すか、私の占いが少しでもお役に立てれば幸いです。占いを通じて多くの方々の人生に接してきました。その喜びや哀しみに共感し、一喜一憂する日々はまた、私自身のこころの旅でもありました。

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