
立花孝志の言わんとしていることは分かるが、彼は、根本的に勘違いをしている。
6/25の当ブログで、かつて小錦さんが天才児で、小学生のときにハワイ大学のギフテッドプログラムを受けていたことに触れた。
アメリカではこれを散々やってきた歴史がある。高IQの子どもたちを集めてギフテッド教育を施す。これに多額のお金を突っ込む富豪たちがいる。
で、結果はどうだったか。
平均よりはかなり優秀な集団ができた。しかし、歴史に名を残すような超大当たりは出なかった。つまり、そうした大当たりはどこに潜んでいるか分からないということ。
正確には、一騎当千のつわもの(ずば抜けて優れた実力者)を育てるより、二千人育てたほうが強いということなのだ。ガンダムの世界である。
たとえば、虎は兎より掛け値なしに強いが、兎は世界中で繁栄し、虎は絶滅の危機に瀕している。
自然界の掟は、個体レベルでは「全肉全食」で、種レベルでは「適者生存」である。
個体レベルでは、最終的に全ての個体が「喰われ」てしまう。 全ての個体は、多少の寿命の差こそあれ、必ず死ぬ。個体間の寿命の違いは、自然界全体で観れば意味はない。
ある犬が2年生き、別の犬が10年生きたとしても、それはほとんど大した違いはなく、どっちでもいいことだ。
種レベルでは「適者生存」である。
この言葉は誤解されて広まっているが、決して「弱肉強食」の意味ではない。「強い者」が残るのではなく、「適した者」が残るのだ。 (「残る」という意味が、「個体が生き延びる」という意味で無く「遺伝子が次世代に受け継がれる」の意味であることに注意)
そして自然というものの特徴は、「無限と言っていいほどの環境適応のやり方がある」ということである。
必ずしも活発なものが残るとは限らず、ナマケモノや深海生物のように極端に代謝を落とした生存戦略もある。多産なもの少産なもの、速いもの遅いもの、強いもの弱いもの、大きいもの小さいもの……あらゆる形態の生物が存在することはご存知のとおり。
「適応」してさえいれば、強かろうが弱かろうが関係ない。
そして「適者生存」の意味が、「個体が生き延びる」という意味でなく「遺伝子が次世代に受け継がれる」の意味である以上、ある特定の個体が外敵に喰われようがどうしようが関係ない。
10年生き延びて子を1匹しか生まなかった個体と、1年しか生きられなかったが子を10匹生んだ個体とでは、後者の方がより「適者」として「生存」したことになる。
「生存」が「子孫を残すこと」であり、「適応」の仕方が無数に可能性のあるものである以上、どのように「適応」するかはその生物の生存戦略次第ということになる。
人間の生存戦略は、「社会性」
高度に機能的な社会を作り、その互助作用でもって個体を保護する。個別的には長期の生存が不可能な個体も生き延びさせることで、子孫の繁栄の可能性を最大化するという戦略である。
どれだけの個体が生き延びられるか、どの程度の"弱者"を生かすことが出来るかは、その社会の持つ力に比例する。人類は文明を発展させることで、前時代では生かすことが出来なかった個体も生かすことができるようになった。
生物の生存戦略としては大成功であろう。(生物が子孫を増やすのは本源的なものであり、そのこと自体の価値を問うてもそれは無意味だ。「こんなに数を増やす必要があるのか?」という疑問は、自然界に立脚して論ずる限り意味をなさない)
「優秀な遺伝子」ってものはないんですよ。 あるのは「ある特定の環境において、有効であるかもしれない遺伝子」である。
遺伝子によって発現されるどういう「形質」が、どういう環境で生存に有利に働くかは計算不可能。
例えば、現代社会の人類にとって「障害」としかみなされない形質も、将来は「有効な形質」になってるかもしれない。だから、可能であるならばできる限り多くのパターンの「障害(=つまるところ形質的イレギュラー)」を抱えておく方が、生存戦略上の「保険」となる。
「生まれつき目が見えないことが、どういう状況で有利になるのか?」と思われるかもしれないが、それは誰にも読めないことなのである。自然とは、無数の可能性の塊であって、全てを計算しきるのは神ならぬ人間には不可能なことなのだから。
アマゾンのジャングルに一人で放置されて生き延びられる現代人はいない。ということは、「社会」というものがない、生の自然状態に置かれるなら、人間は全員「弱者」だということである。
その「弱者」たちが集まって、出来るだけ多くの「弱者」を生かすようにしたのが人間の生存戦略なのだ。
ゆえに社会科学では、「闘争」も「協働」も人間社会の構成要素だが、どちらがより「人間社会」の本質かといえば「協働」である。「闘争」がどれほど活発化しようが、最後は「協働」しないと人間は生き延びられないからだ。
われわれ全員が「弱者」であり、「弱者」を生かすのがホモ・サピエンスの生存戦略だということである。
『進化論』のチャールズ・ダーウインが言ったとされる、「強い者が生き残ったわけではない。賢い者が生き残ったわけでもない。変化に対応した者が生き残ったのだ」これは、後世の人間が誤って作ったものだ。
ダーウインは「生き残った者は、強い者でもなく賢い者でもなく、さらに変化に対応した者でもない」と言っている。
すなわち、たくさんの子孫を作った「種」が生き残った。つまりは「繁殖成功」と、身も蓋もない。
虎は疑いもなく兎より強いが、「虎という種」は絶滅の危機に瀕しており、「兎という種」は世界中で繁栄している。他の動物から食べられても、食べられても、数で勝負なのだ。
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