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2020. 04. 05  

織部


今年の桜は早かった。観にいきたくとも、このコロナ禍でテレビにうつる桜の映像で我慢した向きもあろう。

花好きは世に多い。願はくは花のもとにて春死なん、とうたったのは西行法師だったが、誰の心にもこのような憧れがある。花といえば桜をさすが、桜でなくてもいい、花に包まれて人生を終わりたい。

土曜日の夕方、近所のスーパーまで買い物に出かける道すがら、少し回り道して桜咲く公園へ足を延ばした。いつもなら元気に遊ぶ子どもたちで一杯なのに男の子が数人しかいない。

桜の下のベンチに腰掛け、花を観ながら、人間は花や花木の命をいただいて生きてきたのだろうと思った。言うまでもなく、花は薬用植物であったり、食用にもし、さらに桜のように人生のシンボル、自然への限りない帰依のシンボルとして位置づけられたものもある。歴史を遡ればさかのぼるほど、その度合いは濃密だろう。

花にあこがれ、花木を愛し、花に酔う私たちの気質は、偶然のものではなく、深く遺伝子に組み込まれた本質、本性なのだろう。

来年この花が咲くころ、世界の人々はコロナ騒動に慣れる、飽きる、忘れるといった域にたどり着いていて欲しいと願うばかりだ。今はいつ終わるのか見当もつかないけれども、①ワクチン(特効薬)が開発される、②集団免疫がつく、③回復した人が感染者の大多数を占めるようになる、などの経緯を経て、願わくば落ち着いていて欲しい。

飢饉、疫病、戦争に対する人類の対抗策は、いつもそんな感じであった。

私がこの季節、いちばん見たいのは野すみれのむらさきである。それも街をほっつき歩いて、ひょいと見かけたいのだ。えっ都会で…といぶかるなかれ。都会のまんまんなかでもすみれに会えることがある。

神楽坂のとある小道で私は探していたすみれにあったことがある。そこは商店街のはずれにあたっていて、普段は車置きのスペースになっている。石ころまじりの土にもめげることなく、うす紫の小さな花を一面にちりばめていた。新宿駅からそう遠くない地下鉄口で見つけたこともある。濃い紫のだった。根津美術館の庭には、ここかしこにすみれの輪舞を見ることができる。

東京も捨てたものではない。しかし、その年には見られても次の年に見られるかどうかは、わからない。胸が痛む。すみれなくしてなにが春。

いつか、このコロナ禍が癒えたとき、世界の国のそれぞれの集団はどんな「記憶」を持つだろう。過酷な状況を体験したイタリアやスペインの人たちは、どんな感慨を持つのだろうか。そのことによって信仰は深まるのか、あるいは役に立たなかったということになるのか。

国際関係はどうなるのだろう。グローバルの壮大な実験だったEUはやっぱり無理があったね、国境の壁を元に戻すべきだとか、中国のことなんて考えたくもないね、ひどい国だよと、負の感情の方がより強く残る気がする。中国のことはアメリカが許さないだろう。

まだ十分に伝わってこないけれど、武漢にはいろんな思いが詰まっていることだろう。つらい別れをした人は膨大な数に達するはずである。そして彼らは、共産党指導部に対してどんな思いを抱いているのだろうか。

ひとつだけ確実なのは、この後「自分はあのとき武漢に居た」ことを軸として、膨大な物語が紡ぎだされるであろうことだ。戦争が、すぐれた文学や映画、演劇、音楽を産んだように。

家庭単位でもいろいろあるのだろう。外出禁止で家に閉じこもっている時間が長くなることで、家族の関係が深まるのか、それとも「もう顔も見たくない」となって、のちのち「コロナ離婚」が続出するのか。

おそらく、世界中の人々がいろんな形で「共通の記憶」を持つことになるのだろう。そのとき私は、近所の公園でたった10分ほど観た桜の花のことを思い出すだろう。2020年4月4日の桜を。願わくば、もう少し生かしてください。90歳になる故郷の父が生きているあいだは。


  花咲けど病臥に果つる人もあり



月曜日の運勢

【一白水星】精神的に煮詰まるような感じですが、こうした日はとりあえず目前の仕事を片付けて、無理せず淡々と日常のことをこなしていく。あとは読書したり、思索されたりして、ゆったり過ごしてください。人からゴチャゴチャ言われても、どーんと構えて振り回されないことです。

【二黒土星】気が大きくなりますので、強引に物事を進めようとなさるのですが、突然の予定変更や、予期せぬことに振り回されるようなことがあるでしょう。六白と七赤の人に注意のこと。自分はちっとも悪くないのに、人のことでとばっちりがくるような日です。車の運転は慎重に。

【三碧木星】心に余裕が生まれ、身も心もリラックスできるような日です。好きな人と美味しいものをいただき、会話を楽しみ、魅力的な笑顔を振りまきましょう。金運、物質運が上がります。ただ、日破がつきますので、物事が滞ってサクサク片付かないような日で、人にイライラします。

【四緑木星】自分の置かれている現状について見つめ直す日。あなたを取り巻くヒト・モノ・カネを、必要なものとそうでないものに分類し、要らないものはスパッと捨て、必要なものはテコ入れしていく。頭の中を整理すると、抱えている迷いが断ち切れます。断捨離には打ってつけの日。

【五黄土星】頭脳明晰、思考が冴えわたります。今日はいろいろなことによく気が付いて、今まで見えていなかったことも、よく見えてくるような日です。気づいたことは片っ端から、サクサクと片付けていきましょう。情報を広く求め、周囲の協力が得られれば多くの収穫があります。

【六白金星】暗剣殺がつきますので、あなた自身は大変とお強いのですが、どんなことでもやり過ぎる傾向があって、刀で周囲をエイヤッと斬りつけるようなイメージ。上手にブレーキをかけましょう。許されるならば今日は無理せず、好きなことをしてのんびり過ごしましょう。眠い一日です。

【七赤金星】張りつめたバネを少し緩めると、心が穏やかになります。堅実でマメ、これをモットーに行動されるといい日です。細々とした雑事をねじり鉢巻きで片付けていくようなお気持ちが大事です。また、周囲の人の動向にさりげなく気を配ってあげましょう。あなたの評価を高めます。

【八白土星】物事が一気に動き出しますので、忙しい一日になります。積極的に自分をアピールし、信用を高めましょう。今まで行ってきた努力は必ず良い結果をもたらします。運の巡り合わせが良い日ですから、何をやってもスムーズ。身辺に新たな発見があったり、アイデアが湧く日です。

【九紫火星】人間関係で運が拓けてゆくような日ですが、楽しいこともある一方で、へんな人に遭遇する確率も高く、関わるとゴタゴタします。そこはカンを働かせて、これはヤバイと思ったら、すっと交わす、あるいは逃げること。運の巡りは良いので、行動はサクサクいくでしょう。


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れいらん

Author:れいらん
ご訪問ありがとうございます。

東洋占術歴47年になります。占い師とは「人を幸せに導く職業」だと思ってきました。同時に、多くの方のさまざまな悩み苦しみに接し、人ひとりが人生を生きく抜くことの困難さに思いを馳せずにはいられません。思えば私たちの人生はこころの旅であり、こころには喜びが必要です。こころがつらいとき、どんなに強い人でも自分を支えていくのは難しいことです。その苦しみからどうやって抜け出すか、私の占いが少しでもお役に立てれば幸いです。占いを通じて多くの方々の人生に接してきました。その喜びや哀しみに共感し、一喜一憂する日々はまた、私自身のこころの旅でもありました。

長きにわたり、ご紹介のお客さま限定の対面鑑定をしてまいりましたが、少しでも多くの方のお力になりたいと思い、このブログからの電話鑑定も受け付けることにいたしました。電話が苦手という方にはメール鑑定もご用意しておりますが、電話の方がよりニュアンスが伝わりやすいと存じます。

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